とくしちゃんねるVol.8 ことばと構音(発音)のこと ~構音機能の発達~
ことば には、大切な3つの側面があります。
①話しことば(音声言語):声に出して“ことば”を話すこと
②理解できることば(内言語、概念):そのものについて、知っていること
③やりとり(コミュニケーション):相手に伝えたい気持ち
いろいろできることは増えているのになかなか喋らない、話し言葉が出ない・・・と心配される保護者の声を耳にします。実際に話しことばが出てくるまでには少し時間がかかります。理解できる事柄が増え(状況判断能力の向上)、理解できることばが増え(理解語彙の増加)、その後、やっと話せることばが出てくるのです。これらの他にも、話せるまでには、身体全体の発達や、認知機能の向上、遊びの拡がりなどの成長がとても大切ですよ。
さて、今回の“とくしちゃんねる”では、構音(発音)についてお話しし、そのトレーニング方法と共に少しだけお伝えしようと思います。
・・・・・“構音(こうおん)”ってなに?
構音(こうおん)というのは 発音する動作やその仕方のことをいいます。
「うちの子、喋るようになってきたけれど、発音が不明瞭なの・・・このまま放っておいて治るのかな?」
「サが、タになってしまいます、どうやって教えたらいいんでしょう」
「ことばの並びがなんだかメチャクチャ・・・ちゃんと喋れるようになるのかな」 例)テレビ→テベリ
そんなご相談を受けることがあります。
構音の発達には、ある程度の順序性があります。個人差はありますが、だいたいは下のような発達の順序を経て、獲得していきます。体の成長や脳の発達とともに、簡単な構音からより複雑な構音ができるようになっていきますよ。言語訓練では口や舌の動きが適切にできているか、年齢相応の音がきちんと構音できているか、異常構音(日本語にない音)の発音がないか、まだ言葉がでていないお子さんの場合でも対応は必須です。口からしっかり息を出すこと(発声の基礎)や口元を見るきっかけの促しなど、個々児の発達の経過を見つつ、個々に適した対応を考えています。
では、実際にどんな訓練をするのか、ご紹介していきまます。まずは、基本的なおくちのたいそうから。
発音のご相談があった際には、口唇の使い方や舌の動き、息の出し方・使い方などをみていきます。
誤った使い方をしている場合は、基本となる動きをご提示して練習していきますよ~。
では、よくご相談がある発音エラーについて、トレーニングの方法をご紹介しますね。
★「ま」や「ぱ」の唇をつかった発音(口唇閉鎖)がうまくできない場合
★「は」行の発音がうまくできない場合、例)はさみ→「あさみ」
★「さ」行の発音がうまくできない場合、例)さかな→「ちゃかな」「たかな」
★「ら」行の発音がうまくできない場合、例)らいおん→「だいおん」
いかがでしたでしょうか?
今回は、ご家庭でできるトレーニング方法をご紹介してみました。
なかなかうまくいかないな~、という場合は、言語聴覚士がいるお近くの専門機関(医療機関)にご相談ください。