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とくしちゃんねる 第4回 食事の前のお口の準備体操

今回は、食事の前のお口の準備体操 について、

Ⅰ.嚥下体操 自分で真似をしてからだを動かしていくことができる方(主に成人の方)に向けた体操
Ⅱ.お口のマッサージ 自分では口唇(くちびる)や頬の筋肉を動かせない、または動きが弱い方に対して、口唇や頬の動きを伝えて身につけていってもらう訓練

この2つについて、ご紹介したいと思います。

Ⅰ.嚥下体操
嚥下とは、お口周りや舌、首などの筋肉を使って、食べ物や飲み物をのどの方へ、そして食道へと送り込む一連の飲み込みの動作のことをいいます。嚥下体操は、そのために必要な筋肉の体操です。
嚥下体操には、お口だけではなくからだの筋肉を動かす内容も含まれています。
適切な姿勢を保つ、手で食具を持ち食べ物を取って口まで運ぶ など、頭を支える首や肩の筋肉、腕の筋肉がスムーズに協働して動くことも、大切なことなんです。
嚥下体操を実施する一番よいタイミングは、食事の前です。お口や頬などを動かすことで、唾液がよく出るようになり、飲み込みやすく、食べやすくなり、誤嚥を防ぐことにもつながります。
また、嚥下体操を続けると、使う筋肉がほとんど同じなので、笑顔をつくることや、楽しくおしゃべりすることにもつながりますよ(^^)

⑧、⑨の補足説明です。
⑧の パタカラ体操 は、お口の代表的な体操の一つです。食べ物を上手にのどの奥まで運ぶ一連の動作をトレーニングするための、発音による運動です。 「パ」「タ」「カ」「ラ」それぞれ、トレーニングできる筋肉は異なるんですよ。

「パ」…唇を閉じて食べこぼさないようにする
「タ」…食べ物を押しつぶす、飲みこむ」 唇を閉じて食べこぼさない
「カ」…食べ物を食道へ運ぶ唇を閉じる。
「ラ」…食べ物を口の中に運ぶ、飲みこみやすくする

最後に、「パンダのタカラ」と発音練習するのもいいですよ。

 

Ⅱ.お口のマッサージ
他動的なマッサージ法は様々あるのですが、今回は、当法人の重度心身障害児通所施設ひかり にて対象児さんに実施させて頂いているマッサージについて、ご紹介したいと思います。
お口のマッサージは、グローブ(手袋)を着けて行っています。

  1. まず、口腔周辺や口腔内に過敏のある方には、過敏を和らげていく効果のある脱感作(だつかんさ)マッサージを行っています。
    スタートは、お口から遠いところから。やさしく声をかけながら触れていきます。 手のひら → 腕 → 肩 → 頬 と、少しずつお口に近づいていくように、触れていきます。
  2. 次は、口唇周りの筋肉のストレッチです。口唇に力をつけ、食べ物を口に入れる瞬間の食べこぼしを防ぐ目的があります。唇をつまんでから、お口を閉じる方向に口唇周りの筋肉を縮めて数秒キープしていきます。口唇周りを6つの部分に分けて行っています。筋肉を柔らかくし、緊張をほぐすように、動かしています。
  3. 口腔内の頬の筋肉のストレッチです。左右の頬を上中下3つの部分に分けて、頬の内側から指で外側にストレッチしていきます。口唇の内側に人差し指、外側に親指と位置して、挟むように伸ばしていきます。口唇を引っ張るのではなく、頬の筋肉を伸ばすように、意識して行います。
  4. 歯茎の脱感作マッサージ、ガムラビング です。指の腹で歯ぐきに5秒位、圧をかけて触れていきます。中央から少しずつ奥に進んで行っていきます。

ひかりでは、1.~4.より、対象児さんに合わせて取り組み、食前に5分を超えない程度に実施しています。

以上、ご紹介してまいりました。
大切なのは、無理せず、毎日継続していくことかな と思います。
食事の前のお口の準備体操、皆さんで楽しみながら実践して、ぜひ毎日の習慣にしてみてくださいね。

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