とくしちゃんねる Vol.29 ただの”不器用”で片付けてはいけないかもしれません!
皆さんは発達性協調障害(DCD)という障害をご存知ですか?
発達性協調運動障害(DCD)
身体の機能には問題がないにもかかわらず、人並外れて”不器用”だったり、極端に運動が苦手だったりと、協調運動に困難さが見られる障害です。
※ 協調運動とは、手と足、目と手など別々に動く機能をまとめてひとつにして動かす運動のことを言います。縄跳びやスキップ、ボールを目で追いながら足で蹴るなどの運動は協調運動の一部です。
- 箸やはさみを使う、ボタンを留める、紐を結ぶなど指先を使うことも苦手です。
- 縄跳びが跳べない、行進やダンスがぎこちなく身体を使うことが苦手
- 全体の6%~10%。小学生の30人学級であれば2、3人いる計算になります
DCDのお子さんにはどんな支援が必要かな?
1. 専門家のサポートを受けよう
作業療法士はDCDのお子さんを対象としたリハビリテーションも行います。アセスメントに基づく専門的な支援を受けていくことで、身体の使い方を学んだり、知るきっかけになります。運動の成功体験が増えると自信もついてきますね。
2. 便利グッズを積極的に活用しよう
小学校でもICT化の波を受け、授業中に活用する機会も増えました。板書の苦手なお子さんにとってはパソコンで写真を撮影することで解決できたりもします。苦手の克服にこだわらず、様々な便利グッズを活用していきましょう。
3. 身体を動かすことを楽しむ機会を作ろう
小学生になると体育の授業などで、他者と比較されることも少なくありません。その為運動嫌いになってしまうお子さんも多いです。『自分のペースで気持ちよく』体を動かす機会を作っていくことで、運動嫌いも克服できると思います。
まとめ
DCDの”不器用さ”では、自分の身体の使い方を自分自身が知らない、分からないことが多いため、運動学習における”コツをつかむ”ことが困難と言えます。
コツをつかむことができなければ、練習を繰り返しても上達の実感なく、繰り返し成功するまで、とてつもない努力と時間をつかいます。
その為、「やっぱり運動が苦手だ…僕って駄目なんだなぁ…」と途中であきらめることも少なくない為、成功の経験も少なくなっています。
この成功体験の少なさは、運動面だけの挫折に限らず、友達との人間関係を作っていくことにも影を落とすかもしれません。
『不器用な子は、何回も練習すればできるようになる』と単純な”不器用さ”と勘違いしたまま練習を繰り返してもお互い良いようにはなりません。
法人内の専門の職員が様子を見に行くこともできますので、少し心配に感じられた方は事業所の職員に声を掛けてくださいませ。