ブックタイトルクムレ60年の歩み

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概要

クムレ60年の歩み

小ざくら地域保育センター開設「小ざくら地域保育センター」は、平成2(1990)年10月、地域の子育てを幅広く支援する目的で、「小ざくら保育園」の付帯事業としてスタートした。センター誕生の背景には、核家族化による地域の子育て力の低下があげられる。子どもの発達や育児に不安を抱える若い母親、転勤などに伴う親の社会的孤立、ひとり親家庭など、地域の個別ケースに対応できる保育対策が必要とされた時期でもあった。保育所も、措置児のためだけのものではなく、保育を必要とするすべての子どもが利用できるものでなければならないと、当園でもさまざまなプロジェクトが検討され、実施された。具体的な事業として、集団生活の経験のない子どもたちと母親に園を開放し、気軽に遊びに来てもらえるような場を提供した。また、離乳食づくりや育児相談、子育て講演会のほか、母親の孤立感を解消するために子育てサークルを兼ねた親子教室や集いも開催した。事業に対するニーズは高く、回を重ねるごとに参加者も増えていった。一方、相談事業を行う中で、育児放棄や虐待など、さまざまな事情で母親が子育てに限界を感じているケースも浮き彫りになった。これらの家庭には、まず親への支援が不可欠であるとして、母親の育児負担軽減を目的とした一時預りを積極的に行った。理由に関係なく受け入れ、時には相談者の自宅に訪問し、育児や家事の手助けをすることもあった。平成5(1993)年には厚生省の“保育所地域子育てモデル事業”が創設され、当園も同年10月から倉敷市より委託を受けて活動を開始した。地域子育てのセーフティネットとして、来園・電話・訪問相談による援助や子育て交流の場の創出など、これまで実施してきたさまざまな支援メニューを展開し、地域拠点としての役割を発揮した。虐待予防の視点も含めた身近な受け皿として、今も継続的な活動を行っている。また、この制度を機に、事業者として地域住民が子育て家庭を応援する仕組みづくりにも参画し、ほかの子育て支援拠点(保育園)との連携もはかりながら、育児ボランティアの養成も行った。小ざくら地域保育センターの事業として、子育て家庭を訪問し、育児相談などにも対応した30