ブックタイトルクムレ60年の歩み

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概要

クムレ60年の歩み

第2章養護と教育の一体化を目指した新しい保育の幕開け「養護と教育の一体化を狙った特色のある保育」として、領域別保育「小ざくら方式」を本格的にスタートした。これはいわゆる詰め込み型の英才教育ではなく、脳がまだ柔軟で高い吸収能力をもつ乳幼児期から教育を開始する「早期教育」の理念に基づくもので、乳幼児の潜在能力の可能性を追求するものであった。豊かな経験――本物に触れる――中で、乳幼児の総合的な発達を高める保育を目指した。領域別保育「小ざくら方式」の発足「小ざくら乳児保育園」は、0歳児と1歳児定員90名を6クラスで編成していた。「小ざくら保育園」は2歳児から就学前までの定員300名の子どもたちを9クラスで保育し、1クラス平均30 ? 40名の大きな集団を編成していた。保育指針に示される5つの領域(健康、人間関係、環境、言葉、表現)を基本とした音楽、造形・絵画、言語(英語)、体育、障がい(統合保育)の5つの昭和50年代後半?平成10年代領域別担当者が自分の専門や得意分野に合わせ各グループに配置された。0歳?就学までの一貫した保育を中心となって行い、発達年齢に応じたカリキュラムを作成し、それぞれの年齢に応じたプログラムを展開した。さらには、より専門性の高い音楽、体育、英語の養成校からも職員を採用し、質の高い保育に取り組んだ。その頃、幼児の全面発達に先駆的に取り組んでいた全国組織「新幼児教育研究会」にも加入し、早期教育で成果を挙げている全国の実践園を精力的に視察した。子どもたちの素晴らしい能力を目の当たりにし、保母たちの士気も高まったという。勉強会や研修を頻繁に重ね、専門能力のレベルアップにひたすら邁進した時代でもあった。浅田理事長の言葉どおり、入園希望者は後を絶たず、ほかの園が入園児募集の張り紙を出す中、「小ざくら乳児保育園」「小ざくら保育園」は、常に待機児がいた。領域別保育の実践例1音楽領域子どもは、生まれた時から本物の素晴らしい音楽に繰り返し触れることで「心」で音楽が分かるようになる。「耳から育て、繰り返し練習する」こと注で子どもの音楽的センスを高める「スズキ・メソード)」の教育法を取り入注)スズキ・メソード帝国音楽学校のヴァイオリン教授であった鈴木鎮一氏が提唱した教育法で、音楽を通じて心豊かな人間を育てることを目的とした。母国語と同じように耳から音楽を教える「母語教育法」を確立したことで知られる。クムレ60年の歩み25