ブックタイトルクムレ60年の歩み

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概要

クムレ60年の歩み

「倉敷学園」は、開園当初「小ざくら園」の卒園児を中心に受け入れを開始し、初年度は27名でスタートした。言語訓練や機能訓練を導入し、障がい別グループ編成を行い、各領域療育を実施。参考とすべき指導法がないか県内外の通園施設や指導者を求めて全国を回り、その中で、当時先注進的であった「河添理論)」「ドーマン注式)」に巡り合い、そのプログラムに沿って指導内容が組まれていった。倉敷学園の落成式を伝える記事開園時は知識や経験の少ない新人職員を多く抱えており、浅田弘義初代園長のもとに、毎週職員会議や勉強会を行いながら、より良い障がい児教育について考え、実践していった。一言で障がい児といっても障がいの種類や程度はさまざまで、園児一人ひとりにどのように接し、療育していけば良いか「ケースバイケース」で考えなければならない。職員は毎日遅くまで残って意見をぶつけ合い考えながら、園児一人ひとりに合った療育を見つけていった。やがて2年目以降は言語療法士を採用し、少しずつ専門的な療育・訓練の実践が可能になっていった。医療機関との連携については、平成15(2003)年から倉敷成人病センターの専門医とともに、ケース・カンファレンスや勉強会を実施するようになった。療育内容は、排泄・食事・衣類の着脱といった基本的生活習慣の自立や行事・クラス活動を通じた社会性の育成、歩行訓練や乾布摩擦などによる体力づくり、言語・感覚・運動の発達を高める個別または集団による言語・機能訓練などであった。注)河添理論体内のホルモン分泌の約半数を担う脳に目をつけ、早起き・手洗い・食事・排便・午睡など18項目の規則正しい生活を提唱。脳にとって理想的な環境を整え、理想的なホルモンバランスを実現できる生活を実践することで脳の機能を回復させ、障がい児の障がいを軽減しようとした。注)ドーマン式脳障がい児の治療実践から、子どもの潜在能力の素晴らしさを発見したグレン・ドーマン博士による教育法。健常児の早期教育の重要性を示し、子どもが望む通りに「学ぶことで満たしてあげる」ことが、子どもの幸せに結びつくと説いた。パターン認識(右脳活動)に優れている幼児期を利用し、視覚的知性や聴覚的知性を高める学習教材「フラッシュカード」や「ドッツカード」などを考案。20