法人内のセラピストの役割

セラピストとは、心身の不調などをきたした人に対して社会復帰を助けるため、心理や身体に働きかけるさまざまな療法(セラピー)を行う人、または職業を指します。社会福祉法人クムレでは、リハビリテーションの国家資格を有する職員で構成されたチームの総称を指します。理学療法士(PT)1名、作業療法士(OT)2名、言語聴覚士(ST)2名が所属しています。

社会福祉法人クムレの事業所をご利用されている方がよりよい生活をおくれるように、能力の回復や新たな能力の獲得のために、事業所の職員と一緒に支援を考え、実施しています。

対象疾患:脳性まひ、ダウン症、自閉症スペクトラム、運動発達遅滞、言語発達遅滞、構音障害など

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

理学療法(PT:Physical Therapy)

「寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩く」など日常生活を過ごす上で基本となる動作(基本的動作能力)を評価し、 自立に向けた介入をおこないます。 また、装具などのアドバイスをすることや福祉用具などの相談もおこなっています。

発達支援センターでの理学療法について(倉敷学園の場合)
倉敷学園では、月に数回、発達支援の活動の中で〝運動あそび〟を実施しています。たくさんの遊具を設定し、お子さんが自由に遊具を使って職員や他児と共に楽しく遊びながら身体の使い方を学べるようにしています。〝運動あそび〟の中では、自由に身体を動かすだけでなく、個別に課題を設け、『身体を動かす+課題を達成する』など複合的な遊びを取り入れています。

運動あそびでは、月ごとにテーマを決めて実施しています。
例えば12月は〝サンタさんにプレゼントを届けよう♬〟1月は〝干支を集めよう♬〟などのテーマの中で楽しめる構成にしています。

 

児童発達支援事業所・放課後等デーサービスでの理学療法について
(きらり中庄・ひかりの場合)

きらり中庄(ひかり)では、重度心身障がいのお子さんが多く利用しています。自分で自由に身体を動かすこと、身体の向きを変えることなどが難しいお子さんへのアプローチとして、“自由時間に過ごす姿勢、食事をする姿勢、活動に参加する姿勢”など様々な場面でお子さんにとって無理なく過ごすことの出来る姿勢の検討をおこなっています。また、お子さんが使用している装具(短下肢装具、体幹装具:ぷれーりーくん等)を装着した時の様子を見て、装具のあたりや装具の不備等を確認して保護者や職員と共有を実施しています。そして、利用しているお子さんのリハビリ見学に同行し、医療機関との情報共有を行い、発達支援の中でも行える身体のサポート方法を個別支援計画に基づき、検討もさせてもらうこともあります。姿勢に関する支援だけではなく、大きなお部屋(ホール)で、たくさんの遊具を使って身体を楽しく動かして遊んでいます。

 

社会福祉法人クムレ内の他事業所での理学療法について
PTは所属する事業所だけに限らず、法人内の他事業所から依頼を受けることもあります。理学療法は乳児から高齢者までを対象としており、乳児~幼児期では、食事の姿勢、身体の使い方について発達支援の中で行える取り組みを検討・提案し、成人~高齢期では、入浴環境の環境や余暇活動を過ごす姿勢などについて検討・提案を行っています。

どんな依頼があるの?
・身体の発達がゆっくりです。遊びの中で身体の発達を促す遊びはありませんか?
・活動の中でどんな遊びを行ったら良いですか?
・お子さんの車椅子の大きさや歩行器の高さは、身体に合っていますか?
・立ち上がり動作、歩く動作の安全な介助方法はありませんか?
・活動や給食の座位姿勢について相談したいのですが?

作業療法(OT:Occupational Therapy)

「作業」とは、食べたり、入浴したり、遊んだり、仕事をしたりなど人が関わるすべての諸活動のことを指します。病気やけがなど、様々な要因でその人らしい「作業」が行えなくなったとき「作業」に焦点を当てて治療を行います。また「作業」を通じて諸活動に参加できるように援助します。

お子さんの作業療法といたしましては、
様々な原因によって生じる発達の遅れや偏り、手の運動や操作能力の未熟さを持ったお子さんに対して、
生活全般にかかわる作業の支援をしています。

治療として具体的には遊び・勉強・運動などの活動の基礎となる感覚統合療法や、箸操作や更衣などの日常生活活動、書字・はさみ・お絵かきなどの学業、ゲームなどの作業活動を通した指導をしています。

発達支援センターでの作業療法について(倉敷学園の場合)
倉敷学園では、個室での1対1での個別リハビリや、小集団でのリハビリを行っています。

個室では、微細な動きとして手先の操作(はし・スプーン、はさみ、鉛筆等の使用)や、知覚・認知能力 (認識してどう処理するのか…)、ゲーム等を通してコミュニケーションや社会性のトレーニングも行います。

廊下や個室の小スペースでは、粗大な動き (走る、歩く、座る…などの運動や姿勢)、
応用的な運動 (スキップ、自転車、縄跳びなど)にも取り組んでいます。

クラス活動の一環として、ホールを使用した運動サーキットで、身のこなし、バランス、体の使い方等を楽しく経験していきます。

実際の食事場面で介入する事もあります。

「JOINT(ジョイント)」という名前で小集団活動も行っています。
「ジョイント」とは、体を動かしたりゲームしたり遊んでいく中で、順番に気付くこと、待つこと、距離感など社会的に必要なルールやスキルを学んでいく事、集中力やスケジュールを見る力をつける事を目的とした活動です。司会進行役を中心にプログラムに沿って実施するワークショップです。
下の様なスケジュールを提示しながら行います。合間に「座る」カードを入れて活動の切り替えにメリハリを付ける事も特徴の一つです。

ジョイントの様子です。

法人内には複数の作業療法士がおりますが、各事業所の特徴や配置に合わせて、そしてひとり一人の発達や生活の様子に合わせて、柔軟に様々な形で作業療法を行っています。

言語療法(ST:Speech Therapy)

ことばやコミュニケーション、摂食(食べたり、飲み込むことが難しい)についての相談・評価・個別指導をおこなっています。

発達支援センターでの言語療法について(倉敷学園の場合)
倉敷学園では、言語聴覚士の個別支援(もしくは少人数でのグループ支援)をおこなっています。対象は倉敷学園に在籍する全園児です。ことばを含め、同年齢のお子さんに比べて発達が遅れている、行動面で気がかりなことがある、知的障がい・自閉症・広汎性発達障がい・ADHD・LD等の診断を受けておりコミュニケーションがうまくできないというお子さんに対し、発達を促す関わりを支援していきます。また年に2回、発達検査等もおこないます。倉敷学園での言語療法においては、医療機関でのリハビリテーションのように保護者の同席は必要としませんが、お子さんの様子を見学されたい場合や発達に関する内容の個別相談は随時受け付けています。

 

障がい者支援施設での言語療法について(あしたばの場合)
あしたばでは、入所されている方の摂食嚥下評価をおこなっています。障がい特性や疾患、あるいは加齢による咽の機能低下、残歯数が少ない、継続的服薬による飲み込みへの影響、これまでの摂食習慣などあらゆる要因で食べることが難しくなる場合があります。お茶を飲むとムセる、咀嚼がしにくい、食べ物がいつまでも口の中に残る、吐き出す、飲み込めない等、様々な症状に対し、提供されているお食事がご本人の食べる能力にあっているか、誤嚥や窒息などのリスクはないかなどの検討をおこないます。必要に応じて医療機関と連携し、摂食嚥下評価(嚥下造影検査など)の下、食事支援をおこなうことが重要と考えています。また、日頃からお口の健康を維持すること(口腔ケアやマッサージ)も大切に考えています。

 

社会福祉法人クムレ内の他事業所での言語療法について
STは所属する事業所だけに限らず、法人内の他事業所から依頼を受けることもあります。言語療法は乳児から高齢者までを対象としており、ことば・発音・聞こえなどコミュニケーションの全般にアプローチします。
また、乳幼児期のお子さんの“食べる機能”の向上(発達促進や個々の摂食嚥下の課題)についても評価し、ケースに応じて対応しています。

どんな依頼があるの?
・単語しか喋らない、ことばが増えていくにはどんなことをすればいい?
・次の健診まで様子をみましょう…と言われたみたい、なにかできることは?
・一人遊び中心、遊びが拡がらない、どんな関わりをすればいい?
・注意散漫で多動傾向、どんなことを取り入れればいい?
・発音が不明瞭、「さ」が「しゃ」になるけど、どんな練習をすればいい?
・吃音があるけど、本人は苦しそうではない、どんな対応をすればいい?
・あまり噛めずに丸飲みしている感じ…、今の食事形態で合ってる?
・離乳後期食、次は完了食?…少し噛む力が弱いかも、ステップアップして大丈夫?
・食べるとき、飲むときにムセがあるけど、こどもの誤嚥とか大丈夫かな?
・コップ飲みが難しい、上手に飲めるためにできることは?
・よだれが多くでる、口の締りが悪い、どんなトレーニングをすればいい?